診療体制

消化器・一般外科

  • 概 要
  • 主な対象疾患と診療内容
  • 医師紹介
  • 臨床指標
  • 外来担当表

診療概要

より低侵襲の手術を積極的に。

消化器がん、胆石症や鼠経ヘルニア、痔核などの良性疾患、さらには胆嚢炎や虫垂炎、腹膜炎といった緊急手術を要する疾患まで、幅広く、より高い水準を目指して診療しています。患者さまに十分なインフォームドコンセント(説明、情報提供)を行い、安心して十分満足のできる治療を受けていただけるよう努めています。
また、より侵襲の少ない腹腔鏡・胸腔鏡手術を積極的に取り入れ、長期の入院が困難な患者さまへは、日帰り手術や、1泊2日、週末2泊3日入院での手術など、患者さまのニーズにお応えできるよう努力しています。胆のう結石の腹腔鏡手術や鼠径ヘルニア手術(成人・小児)、肛門疾患手術(痔核・痔ろうなど)、甲状腺疾患手術などでは術後早期の退院が可能です。入院日数に関しては担当医にご相談ください。

消化器外科

食道

食道がんに対しては、右開胸・開腹・頚部切開により、食道亜全摘と徹底したリンパ節郭清を行い、生命予後の向上に努めています。がんの進行度に応じて、抗がん剤による補助治療をお勧めすることがあります。

腹腔鏡手術を標準術式としています。
腹腔鏡手術の適応とならない胃がんに対しては、開腹による2群リンパ節郭清を伴った胃切除術(胃全摘術)を基本術式としています。最終的ながんのステージがII以上の場合は、抗がん剤による補助治療をお勧めすることがあります。

大腸

腹腔鏡手術を標準術式としています。腹腔鏡手術の適応とならない大腸がんに対しては、開腹による3群リンパ節郭清を伴った手術を基本術式としています。最終的ながんのステージIII以上の場合や、ステージIIの一部の患者さまには、抗がん剤による補助治療をお勧めすることがあります。

肝臓

原発性肝がん(肝細胞がん、肝内胆管がんなど)や転移性肝がんの手術治療を中心に行っています。
症例に応じて、腹腔鏡手術、開腹アプローチを決定します。

膵臓

膵臓がんの手術療法(膵頭十二指腸切除術、膵体尾部切除術など)を中心に行っています。

胆道

胆石症に対しては、基本的に腹腔鏡手術を行っています。当院では、4孔式(1.2cm、1.0cm、0.5cm、0.5cmの4つの穴を開けて行う手術)を採用し、胆のう炎の程度に応じて単孔式(3cmの穴1つを開けて行う手術)を行います。
胆道の悪性腫瘍(胆管がんや胆のうがん)の手術治療も行っています。

その他

急性腹症を中心に、緊急手術も多く行っています。急性虫垂炎に対しては、腹腔鏡手術で対応する場合もあります。

一般外科

鼠径ヘルニア(脱腸)、肛門疾患(痔核、痔ろう)、甲状腺疾患、皮下腫瘍などの手術療法、また一般的な外傷に対する治療を行っています。

肛門外科

外科疾患の中でも患者さんの要望が多い肛門疾患(痔核・痔ろう・直腸脱等)に対して、毎週土曜日に肛門外来を行っています。
薬物療法(飲み薬・塗り薬・座薬等)、注射療法、手術療法を患者さんの病態に合わせて治療にあたっています。できるだけ痛みがないように、できれば入院せずに済むように工夫しています。これらの病気は非常にデリケートな問題をはらんでおりますので、恥ずかしさに配慮することや体への負担が少なくなるようにいつも考えています。肛門疾患でお困りの場合はご相談ください。

大腸がんの手術について

手術では、がんの部分だけではなく、がんの病変部位周囲のリンパ節も切除します。腸管を切除した後、腸管をつなぎます。もし腸管をつなぐことができない場合には、人工肛門を作ります。がんが周囲の臓器に浸潤しているようであれば、可能ならその臓器も一緒に切除を行います。また肝臓や肺に転移がある場合も、可能な限り切除し、根治を目指します。

結腸がんの手術(低侵襲手術で施行しています)

大腸がんが転移するリンパ節は、がんのある部位から10cm以内の結腸の周囲にとどまっていることが多いので、同部位で切除を行います。がんのある部位で切除する腸管の範囲が決まり、切除方法は回盲部切除術、結腸右半切除術、横行結腸切除術、結腸左半切除術、S状結腸切除術など病変の部位に応じた手術を施行します。当院では、ロボット手術もしくは腹腔鏡手術の低侵襲手術で施行しています。

直腸がんの手術(肛門温存目指しています)

直腸がんも結腸がんと同様に、転移をしている可能性のあるリンパ節を含めて腸管の切除を行い、つなぎます。ただし肛門近傍に病変が及んでいる場合は、肛門を温存することができず永久的に人工肛門になります。もしつなぐことができても、一時的に人工肛門を作る場合があります。

直腸周囲には膀胱、精嚢、子宮、卵巣などがあり、浸潤があれば一緒に切除を行います。また、直腸の周囲には排尿や性機能を調節する神経があり、がんが神経の近くに及んでいなければ、術後機能障害が少なくすむように、神経を残す手術を行います。

当院では肛門に近い下部直腸癌の場合はできるだけ肛門温存するために、術前に放射線治療、化学療法(抗がん剤内服)施行することにより、病変を小さくし切除範囲を小さくし、肛門温存目指します。肛門温存希望される方は多いですが、根治性を損なってはいけません。可能かどうかは担当医に確認してください。
直腸癌ではほぼ全例ロボット手術で施行しています。

減量手術について

皆さんはBMI(body mass index)ということば聞いたことあるでしょうか?

BMIとは、身長と体重を手掛かりとして肥満や低体重を判定するために国際的に使われている体格指数です。健康診断や人間ドックの結果を見ると、身長や体重の近くに記載されています。
体重をコントロールする際には、脂質異常症や糖尿病、高血圧などの病気に最もかかりにくいといわれる「標準体重」を目安にすると良いといわれています。標準体重は、BMIが22になるときの体重です。

BMIは、以下の計算式で求められます。

<BMIの計算式> BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)

例) 身長170㎝ 体重50㎏の場合 50(㎏)÷1.7(m)÷1.7(m)=17.3
です。

皆さん気になる方は一度計算してみてください。

話を減量手術に戻します。減量手術は高度肥満の方が適応となる手術です。高度肥満はBMIが35以上の方です。
減量手術は、高度肥満症による健康障害(脂質異常症、糖尿病、高血圧など)に対して、これを防止、あるいは軽減することを目的に胃を小さく切除する手術です。高度肥満に伴う、糖尿病・高血圧症・睡眠時無呼吸症候群などがあり、これらの発症・増悪の危険性の改善効果が期待できます。 近年、海外では肥満症に対する外科手術、減量手術がより積極的に行われるようになり、そのメリット(体重減少効果、リバウンドの回避、肥満関連合併症の改善など)が多数報告されています。

例)BMIが35以上になるには?

身長 体重
150cm 約79kg以上
160cm 約90kg以上
170cm 約102kg以上

手術適応

以下の条件をすべて満たす方が手術の適応となります。

  • BMIが35以上
  • 糖尿病・高血圧症・睡眠時無呼吸症候群などの肥満由来の合併症を1つ以上患っている方
  • 年齢は18歳から65歳まで

減量手術術式

当院での術式は腹腔鏡下胃スリーブ切除術となります。
胃をバナナの様に細くします。容量は1/8~1/10に縮小しますので、食事摂取量が制限され減量を目指します。

手術までの流れ

減量手術についてご相談を希望される方は専門外科外来を受診ください。そこで手術治療につき詳細にお話させていただきます。
手術が決まるまでは適応について複数のスタッフ(内科医、栄養士、精神科医)と面談していただきます。
内科治療(平均6ヶ月間)で高度肥満が改善した場合は手術療法することはありません。内科治療で軽快せず、手術が決まりましたら、CT等の検査と術前になるべく減量するための栄養指導、運動療法があります。

専門外来

予約制にて毎週木曜日 13時
渡邉克隆
消化器・一般外科部長/乳腺外科部長/小児外科部長/内視鏡外科手術(小さなキズあとの手術)センター長

小児外科

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小児外科

管理医師

渡邉克隆 消化器・一般外科主任部長/内視鏡外科手術(小さなキズあとの手術)センター長

Dr. Katsutaka WATANABE
所属学会
日本外科学会、日本消化器外科学会、日本消化器病学会、日本乳癌学会、日本大腸肛門病学会、日本内視鏡外科学会、日本臨床外科学会、日本緩和医療学会
資格
日本外科学会認定外科指導医・専門医、日本消化器外科学会認定消化器外科指導医・専門医、同消化器がん外科治療認定医、日本消化器病学会認定消化器病専門医、日本内視鏡外科学会技術認定医、日本内視鏡外科学会ロボット支援手術プロクター、日本乳癌学会乳腺認定医、厚生労働省緩和ケア研修修了医
専門領域
一般外科、消化器外科、肛門外科、乳腺外科

梛野正人 常勤顧問

Dr.Masato NAGINO
所属学会
日本外科学会(名誉会員、第115回定期学術集会会頭)、日本消化器外科学会(特別会員)、日本肝胆膵外科学会(名誉会員)、日本胆道学会(名誉会員)、日本臨床外科学会(特別会員)、日本Acute Care Surgery学会(名誉会員)
資格
日本外科学会認定外科指導医・専門医、日本消化器外科学会認定消化器外科指導医・専門医、日本肝胆膵外科学会認定高度技能指導医
公職
名古屋大学名誉教授(名古屋大学医学部腫瘍外科前教授)
愛知県医師会治験審査委員会委員
専門領域
消化器外科、肝胆膵外科

三宅隆史 部長

Dr.Takashi MIYAKE
所属学会
日本外科学会、日本消化器外科学会、日本胆肝膵外科学会、日本大腸肛門病学会、日本内視鏡外科学会、日本消化器病学会、日本臨床外科学会、日本腹部救急医学会、日本ロボット外科学会
資格
日本外科学会認定外科指導医・専門医、日本消化器外科学会認定消化器外科指導医・専門医、同消化器がん外科治療認定医、日本内視鏡外科学会技術認定医、日本内視鏡外科学会ロボット支援手術プロクター、日本がん治療認定医機構がん治療認定医、日本乳がん検診精度管理中央機構検診マンモグラフィ読影認定医、日本医師会認定産業医、厚生労働省緩和ケア研修修了医
公職
日本肝胆膵外科学会評議員
専門領域
消化器外科、一般外科、乳腺外科

宇野雄祐 宏潤会理事長/だいどうクリニック院長

Dr. Yusuke UNO
所属学会
日本外科学会、日本臨床外科学会、日本消化器外科学会、日本消化器病学会、日本消化器内視鏡学会、日本内視鏡外科学会、日本肝胆膵外科学会、日本胆道学会、日本腹部救急医学会、日本癌治療学会、日本乳癌学会、日本静脈経腸栄養学会、日本救急医学会、日本外傷学会、日本外科感染症学会、日本Acute Care Surgery学会
資格
日本外科学会認定外科指導医・専門医、日本消化器外科学会認定消化器外科指導医・専門医、同消化器がん外科治療認定医、日本消化器病学会認定消化器病指導医・専門医、日本消化器内視鏡学会認定消化器内視鏡指導医・専門医、日本がん治療認定医機構がん治療認定医、日本乳癌学会認定医、日本胆道学会認定指導医、日本乳がん検診精度管理中央機構検診マンモグラフィ読影認定医、ICD制度協議会認定ICD、厚生労働省緩和ケア研修修了医
公職
名古屋大学医学部臨床教授、藤田保健衛生大学大学院保健学研究科客員教授、日本肝胆膵外科学会評議員、東海外科学会評議員、名古屋地方裁判所委員会委員
専門領域
消化器外科、一般外科、乳腺外科

スタッフ医師

長谷部圭史
医長
所属学会
日本外科学会、日本臨床外科学会、日本消化器外科学会、日本肝胆膵外科学会、日本消化器病学会、日本腹部救急医学会、日本乳癌学会、日本胆道学会
資格
日本外科学会認定外科専門医、日本消化器外科学会消化器外科専門医、同消化器がん外科治療認定医、厚生労働省緩和ケア研修修了医
専門領域
消化器外科
米川佳彦
医長
所属学会
日本外科学会、日本消化器外科学会、日本内視鏡外科学会、日本臨床外科学会、日本大腸肛門病学会、日本感染症学会、日本乳癌学会、日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会
資格
日本外科学会認定外科専門医、日本消化器外科学会認定消化器外科専門医、同消化器がん外科治療認定医、日本乳癌学会認定乳腺専門医、ICD(インフェクションコントロールドクター)
専門領域
消化器外科、一般外科、乳腺外科
水野隆史
非常勤
所属学会
日本外科学会、日本消化器外科学会、日本肝胆膵外科学会
資格
日本外科学会認定外科専門医・指導医、日本消化器外科学会消化器外科専門医・指導医、日本肝胆膵外科学会高度技能専門医
専門領域
肝胆膵外科

手術件数

( )は腹腔鏡または胸腔鏡下手術

2021年 2022年 2023年
成人ヘルニア根治術 101(60) 102(70) 140(88)
急性虫垂炎手術 58(58) 60(59) 38(38)
腸閉塞手術 13(10) 14(10) 18(16)
食道切除術 6(5) 6(6) 2(2)
胃切除術 35(33) 42(40) 48(44)
大腸がん手術
 >結腸切除術 94(90) 93(90) 90(82)
 >直腸切除術 39(36) 36(34) 53(53)
内分泌外科手術 2 1 0
痔疾手術 14 15 16
胆のう摘出術 121(120) 110(109) 115(115)
膵臓手術
 >膵頭十二指腸切除 17 13 5
 >膵体尾部切除 4(2) 5(3) 5(3)
肝切除術 40(28) 38(22) 36(16)
胆道再建を伴う肝切除術 1 1 4
その他緊急手術 30(11) 25(20) 21(17)
その他全麻手術 30(10) 35(8) 52(36)
合計 605(463) 596(471) 643(510)

NCDについて

当科では、手術を受けていただいた患者さまの個人情報を除いたデータに基づいて、一般社団法人National Clinical Database(NCD)の外科手術・治療情報データベース事業へ参加しております。 本事業は、日本全国の手術・治療情報を登録し、集計・分析することで医療の質の向上に役立て、患者さまに最善の医療を提供することを目指すプロジェクトです。全国の医療施設診療科の皆様からご協力をいただくことで、手術を行っている施設診療科の特徴、医療水準の評価、適正な泌尿器科専門医の配置、手術を受けた方の予後、これから手術を受ける方の死亡・合併症の危険性などを明らかにすることができます。また、本事業に登録していただいた症例のみを用いて、各専門医制度の申請が行われるようになりました。

 

専門医制度と連携したデータベース事業について(PDF:172KB)

外来担当表

午前 長谷部圭史 三宅隆史 渡邉克隆 米川佳彦 三宅隆史
(2,4週)
米川佳彦
(3週)
長谷部圭史
(4週)

[肛門外科]

渡邉克隆
(1週)
午後 [減量外来]

休診日: 3/8(土)、4/12(土)

予約電話番号: 052-611-6265

※変更する場合がありますので、事前に電話にてご確認ください。

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