診療体制

手外科・マイクロサージャリーセンター

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  • 外来担当表

診療概要

手の専門外科

 手は体の中で最も鋭敏な感覚を持ち、複雑な運動を行うことができ、脳と密接に関係しています。わたしたちは書字、食事、家事、整容などの日常生活動作をはじめ、手作業、パソコン操作、楽器演奏、絵を描くなどの仕事や趣味、さらには、握手をする、手を振るなどのコミュニケーションの手段としても手をほぼ無意識に使っています。また、手は常に露出して使うため、整容面においても重要な役割を担っています。このため、ケガ(外傷)や病気(疾病)によって、手のはたらき(機能)が障害されると日常生活や仕事に大きな支障が生じます。

 手外科は手の外傷・疾病に対する専門の診療科です。肩関節よりも下の部分の肘関節、手関節、手指など上肢全体の治療を行います。手は皮膚、骨、関節、靭帯、筋肉、腱、神経、血管などから構成され、これらの多様な組織が限られたスペースに収められた複合的で精密な器官です。このため、手の外傷や疾患を診療するには、専門的な知識と卓越した技術が必要であり、専門の訓練を受けた手外科医が診断、治療を行うことが求められます。当センターは関節鏡を用いた低侵襲手術をはじめ、手術用顕微鏡を使用したマイクロサージャリー(微小外科手技)を駆使した手術治療を積極的に行っています。

関節鏡

関節鏡を用いた手術

手外科疾患、外傷に対して関節鏡を用いた低侵襲手術を行っています。
通常の手術は、皮膚を切って、体の内部を展開して操作を行います。関節鏡を用いることで、手術の傷は小さくなり、正常な組織を傷つけにくく、血流障害も生じにくいため、術後のリハビリテーションの負担が少なく、早期社会復帰が可能となります。また、手関節や指関節などの小さな関節においても、詳細な病態の把握ができ、精密な手術を行うことが可能となります。

関節鏡を用いた手術手技としては

  • 手根管症候群に対する関節鏡視下手根管開放術
  • 橈骨遠位端関節内骨折に対する関節鏡視下整復内固定術
  • 舟状骨偽関節に対する関節鏡視下偽関節手術、骨移植術
  • 手関節TFCC(三角線維軟骨複合体)損傷に対する関節鏡視下TFCC縫合術
  • 手関節ガングリオンに対する関節鏡視下ガングリオン切除術
  • 変形性肘関節症に対する関節鏡視下手術(遊離体摘出、形成術、関節授動術など)

などを行っています。

関節リウマチ

関節リウマチによる手指・手関節・肘関節の変形、痛み、機能障害に対する手術

関節リウマチは、手のこわばり、関節の痛みや腫れなどを引き起こす自己免疫疾患という病気のひとつです。以前に比べて薬物治療が進化したことから、股関節や膝関節などの大きな関節の腫れや痛みは薬で治せるようになってきましたが、手や足などの小さな関節は、新しい薬を使っても腫れや痛みが良くならないことがあります。関節の腫れが持続すると、軟骨や骨が溶けて関節が破壊され、変形が生じ、動きも悪くなります。また、手関節の腫れと変形が原因となって指を伸ばすスジ(腱)が切れて、指が伸ばせなくなることもあります。手が変形してしまった場合、変形を治すには骨だけではなく、靭帯や腱のバランスも整える必要があり、手外科の専門的な知識と技術が要求されます。

当センターでは、手指の高度な変形・機能障害に対して指の人工関節置換術を行い、変形の矯正、機能再建を行っています。変形の程度によっては、人工関節を用いることなく、靭帯や腱のバランスを整えることで、変形を矯正することもあります。変形を認めなくても関節腫脹が持続している場合、変形が生じる前に炎症を起こして腫れた組織(滑膜)を切除すること(滑膜切除術)で、関節腫脹の改善、変形予防が期待できます。

指の腱が切れて指が動かせなくなった場合は、原因となっている手関節の形を整え、残っている腱を移し替える(腱移行術)ことで、指を動かせるようにしています。肘関節の変形や痛みに対しては、滑膜切除術や人工肘関節置換術を行っています。

 

  • 人工関節置換術 術前

  • 人工関節置換術 術後

デュプイトラン拘縮

デュプイトラン拘縮に対する手術治療、注射治療

デュプイトラン拘縮とは、手のひらから指にかけて皮膚にしこりができて、しこりがひきつってくることにより指が伸ばしにくくなる病気です。原因はよくわかっていませんが、手のひらの皮膚の下にある手掌腱膜という線維性の膜が肥厚・線維化・収縮し、皮下に結節ができ、病状が進行すると、拘縮索と呼ばれるひも状のしこりが形成され、指が曲がったまま伸ばせなくなります(屈曲拘縮)。拘縮索ができても指を曲げることはできますが、指が伸ばせないことによる障害(机に手のひらをつけることができない、柏手ができない、洗顔時に指が鼻の穴に当たる、大きいものが掴めないなど)が出てきます。中年以降の男性が罹患しやすく、環指、小指に多く認めます。糖尿病との関連が指摘されています。

治療としては、リハビリテーションを行っても治療効果は期待できないため、手術により肥厚した手掌腱膜を切除して指を伸ばす手術治療が一般的です。しかしながら、切除する組織のすぐ近くに神経、血管が走行しているため、神経や血管を傷つけないように正確かつ丁寧に、しかし確実に肥厚した手掌腱膜を切除する必要があり、手外科の専門的な知識と技術が必要です。

2015年9月より、手術以外の治療法として、新しく注射治療が行えるようになりました。コラゲナーゼという酵素(ザイヤフレックス® )を肥厚した手掌腱膜に注射すると、注射24時間後には酵素の作用で手掌腱膜が溶けて指を伸ばすことが可能となります。ただ、すべての患者さんが注射治療の適応にはならないので、手術治療と注射治療の両方の治療を使いわける必要があります。また、注射治療は日本手外科学会専門医しか行うことができません。当センターは治療実施施設に登録されていますので、手外科専門医が診察し、注射治療の適応があるかどうかを的確に診断し、この新しい注射治療を行うことができます。

  • デュプイトラン拘縮 コラゲナーゼ注射前(正面)

  • デュプイトラン拘縮 コラゲナーゼ注射1カ月後(正面)

  • デュプイトラン拘縮 コラゲナーゼ注射前(側面)

  • デュプイトラン拘縮 コラゲナーゼ注射1カ月後(側面)

マイクロサージャリー

マイクロサージャリー手術

マイクロサージャリーとは、手術用顕微鏡を用いて微細な操作(直径0.5~3mm程度の血管や神経を縫合するなど)を行う手術手技です。手は皮膚、骨、関節、腱だけではなく、神経や血管などの細密な組織を含めて構成されていますが、これらの微細な組織は皮膚のすぐ近くにあるため、怪我をすることにより損傷や欠損が生じることが多く、その治療にはマイクロサージャリーの技術が必要となります。当センターでは、マイクロサージャリーを駆使して切断指の再接着、断裂した血管や神経の修復、腫瘍切除後や外傷によって生じた皮膚や筋肉、骨の欠損に対して遊離組織移植(身体の他の部位から血管を付けて皮膚などの組織を切り離し、欠損部に移植する)を行っています。

管理医師

篠原孝明 手外科・マイクロサージャリーセンター長/整形外科 主任部長

Dr. Takaaki SHINOHARA
所属学会
日本整形外科学会、日本手外科学会、日本肘関節学会、日本マイクロサージャリー学会、日本リウマチ学会、日本末梢神経学会、日本整形外科スポーツ医学会、中部日本手外科研究会、中部日本整形外科災害外科学会
資格
日本整形外科学会認定整形外科専門医、日本整形外科学会認定リウマチ医、日本手外科学会認定手外科専門医
公職
日本手外科学会代議員、日本マイクロサージャリー学会評議員、NPO法人ハンドフロンティア理事、鶴舞手外科研究会 世話人、鶴門骨折治療研究会 世話人、名古屋大学医学部整形外科学・手外科学 非常勤講師、東海整形外科外傷研究会幹事
専門領域
手外科、手関節外科、肘関節外科、マイクロサージャリー、末梢神経障害

スタッフ医師

能登公俊
医長
所属学会
日本整形外科学会、日本手外科学会
資格
日本整形外科学会認定整形外科専門医
専門領域
整形外科全般

手外科 手術件数

2018年度 2019年度
上腕骨骨折 14 18
肘関節周囲骨折・靭帯断裂 32 49
橈骨遠位端骨折・前腕骨折 67 69
橈骨遠位端関節内骨折(関節鏡下骨接合術) 17 49
舟状骨骨折・偽関節、手根骨骨折 14 16
手指の骨折・靭帯断裂 84 51
切断指・指尖部損傷 11 28
皮弁手術 20 19
神経縫合・神経剥離・動脈吻合術 42 14
腱縫合・腱移行・腱移植術 21 28
腱鞘切開術 14 23
手根管症候群 15 30
肘部管症候群 10 4
手関節・指関節変形 10 19
TFCC損傷・尺骨突き上げ症候群 0 3
人工指関節置換術 9 24
デュプイトラン拘縮 6 10
関節鏡下ガングリオン手術 1 1
先天異常 1 2
腫瘍 19 15
感染 16 13
抜釘・その他 71 131
合計 495 616

外来担当表

 
午前
午後     専門外来
[手外科] 
篠原孝明
     

予約電話番号: 052-611-6265

※変更する場合がありますので、事前に電話にてご確認ください。

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