診療体制

呼吸器・心臓血管外科

  • 概 要
  • 呼吸器外科
  • 血管外科
  • 医師紹介
  • 臨床指標
  • 外来担当表

診療概要

より低侵襲の手術を積極的に。

呼吸器外科では、良性疾患(肺良性腫瘍、炎症性疾患、膿胸、自然気胸など)、悪性腫瘍(肺がん、転移性肺がん、悪性胸膜中皮腫)また縦隔疾患に対して、外科治療を行っています。
血管外科では、末梢血管の手術を積極的に行っています。

当科では、患者さまへの侵襲がより少ないロボット支援下手術・胸腔鏡手術・血管内治療を積極的に取り入れ、日帰り・1泊2日・2泊3日など患者さんのニーズにお応えできる短期間入院での治療が可能になるよう努力しております。自然気胸など良性疾患の胸腔鏡手術、静脈瘤手術などでは術後早期の退院が可能です(入院日数については担当医にご相談ください)。

 

地域の先生方へ

このような方をご紹介ください

呼吸器外科

  • 呼吸器症状のある患者さま
  • 胸部異常陰影のある患者さま

血管外科

  • 足の静脈が張って痛い
  • 足の湿疹が治らない
  • 足に色素沈着や潰瘍ができる
  • 足が冷たく感じる
  • 歩くと足が痛くなる など

主な治療方法

完全胸腔鏡下手術

呼吸器外科手術の90%を完全胸腔鏡下に行っています。
胸腔鏡手術とは、肺・縦隔疾患に対する手術治療を、テレビモニター観察下に内視鏡的に行う方法です。自動縫合器の進歩により、血管や気管支が処理できるようになり、肺がんに対する標準手術(肺葉切除・リンパ節郭清)も胸腔鏡手術で行なうことが可能となってきました。

原発性肺がんに対する標準手術(肺葉切除+ 縦隔リンパ節郭清)では、従来の直視併用の小開胸手術(ハイブリッド手術)よりもさらに小さな傷です。3-4cm のミニ開胸の傷と、2カ所の1.5cm の操作孔の傷との3つの傷で、完全鏡視下操作が可能です。手術後の疼痛も少なく、患者さまの回復も驚くほど早くなりました。

ロボット支援下手術

2024年6月に肺の良性疾患に対するロボット支援下手術が保険収載されたことを受け、同年7月よりロボット支援下手術を開始しました。
ロボット支援下手術は、完全胸腔鏡下手術と同様、低侵襲の手術であり、特徴としては、3次元視野下に関節を有する自由度の高い鉗子を用いて精緻な手術操作ができることにあります。胸腔鏡下手術と比べ、ロボット支援下手術は出血量が少ないとの報告があり、当院では今後ロボット支援下手術を積極的に進める予定です。

当院では、胸腔鏡での肺葉切除の術前には、造影CTで3次元に再構成した肺血管イメージを参考に、より安全な手術を目指しています。
また、内科的に確定診断が困難な肺内小異常陰影では、胸腔鏡下でもその存在確認が困難です。このような症例では胸腔鏡肺生検を行う直前に、CTガイド下で経皮的にマーキングを行ない腫瘤部分を切除・組織検査をすることで、小型肺がんの早期診断・治療が可能となっています。

良性疾患(肺良性腫瘍、炎症性疾患、膿胸、自然気胸など)、その他の悪性腫瘍(転移性肺がん、悪性胸膜中皮腫)にも対応しています。

手掌多汗症に対する胸腔鏡下交感神経遮断術も行っています。

 

単孔式胸腔鏡下縦隔腫瘍手術

縦隔疾患に対しては、従来は胸骨縦切開法や、肋間からの胸腔鏡アプローチで手術を行っていましたが、最近では、剣状突起下の1カ所の傷で行う単孔式胸腔鏡下縦隔腫瘍手術を導入しています。

放射線治療

手術療法・化学療法と合わせてがん治療を完結させることができます。

主な治療方法

末梢動脈疾患

動脈疾患では、閉塞性動脈硬化症に代表される末梢血管病変に対するバイパス術に代表される外科治療、また、循環器内科と連携し、経皮的血管形成(バルーン拡張術、ステント留置術)を行っています。診断には、低侵襲な超音波検査、脈派検査、造影剤を使用しないMRIでの血管撮影検査などでスクリーニングの後、治療方針を決定しています。必要に応じて造影CTを行います。従来の血管撮影は、血管内ステント治療の際にはじめて行うことになります。

  • 血管形成前

  • ステント治療後

心臓・大血管外科疾患の外科治療や、大動脈瘤の人工血管置換術・ステント内挿入術の適応のある患者さまは、希望される大学病院などへ紹介させていただいています。

下肢静脈瘤

外来で血管エコー検査を行い、静脈瘤の原因となっている静脈弁の逆流を評価したり、深部静脈などの血栓の有無を確認します。また、造影剤無しでのMRIによる血管撮影検査(MRV検査:下写真)を行い、血管内焼灼手術に加え、従来から行っている高位結紮術、硬化療法などの治療法の中から、患者さまにとって最も良い治療法を提案させていただきます。さらに、熱傷リスクを回避するため、静脈内に医療用接着剤を注入する血管内塞栓術も可能です。

 

高周波治療法(レーザー治療より痛みが少ない最新の治療法です)

当院での血管内焼灼手術は、レーザー治療機器ではなく、高周波治療機器を導入しています。高周波治療機器はレーザーの約1000℃の焼灼と違い、約120℃での焼灼のため、疼痛が非常に少なく、患者さまにも好評です。すべての静脈瘤の方で、血管内治療ができるわけではありませんので担当医とご相談ください。

高周波治療機器

スタブ・アバルジョン (Stab avulsion)法による静脈瘤切除

非常に小さい傷(1-3mm)で特殊な器具を使って静脈瘤を切除する方法を導入しています。傷跡はほとんど残りません。蛇行した静脈瘤の切除の際、伏在静脈の焼灼に加え、高位結紮術や硬化療法とスタブ・アバルジョン法を組み合わせることにより、さらに静脈瘤をきれいに治療することができます。

  • 治療前

  • 血管内焼灼手術+静脈瘤切除 治療後(同一症例)

管理医師

山田勝雄 呼吸器・心臓血管外科主任部長

Dr.Yamada
所属学会
日本呼吸器外科学会、日本外科学会、日本結核・非結核抗酸菌症学会
資格
日本呼吸器外科学会評議員、日本外科学会指導医、日本結核・非結核抗酸菌症学会 結核・抗酸菌症指導医
専門領域
呼吸器外科

スタッフ医師

中村彰太
非常勤
所属学会
日本外科学会、日本胸部外科学会、日本呼吸器外科学会、日本肺癌学会、日本内視鏡外科学会、日本呼吸器内視鏡学会、日本胸腺研究会、日本移植学会、日本石綿・中皮腫学会、世界肺癌学会(IASLC)、International Society for Heart and Lung
資格
(名古屋大学医学部附属病院呼吸器外科講師)
日本外科学会専門医・指導医、呼吸器外科専門医、da VInci Surgical System コンソールサージャン・サーティフィケート、呼吸器外科ロボット支援手術プロクター、緩和ケア研修会修了、臨床研修指導医講習会修了、日本ロボット外科学会専門医国内B級、胸腔鏡安全技術認定医、日本移植学会移植認定医
専門領域
呼吸器外科

治療実績

手術件数

( )は胸腔鏡下手術もしくは血管内治療

手術名 2021年 2022年 2023年
肺切除術 51(51) 48(47) 37(37)
 >肺がん(原発・転移) 48(48) 46(45) 36(32)
 >その他の肺切除 3(3) 2(2) 1(1)
自然気胸手術 25(25) 15(15) 4(4)
その他の呼吸器手術 5(5) 4(3) 7(7)
呼吸器外科 計 81 67 48

 

NCDについて

当科では、手術を受けていただいた患者さまの個人情報を除いたデータに基づいて、一般社団法人National Clinical Database(NCD)の外科手術・治療情報データベース事業へ参加しております。 本事業は、日本全国の手術・治療情報を登録し、集計・分析することで医療の質の向上に役立て、患者さまに最善の医療を提供することを目指すプロジェクトです。全国の医療施設診療科の皆さまからご協力をいただくことで、手術を行っている施設診療科の特徴、医療水準の評価、適正な泌尿器科専門医の配置、手術を受けた方の予後、これから手術を受ける方の死亡・合併症の危険性などを明らかにすることができます。また、本事業に登録していただいた症例のみを用いて、各専門医制度の申請が行われるようになりました。

 

専門医制度と連携したデータベース事業について(PDF:172KB)

外来担当表

午前 山田勝雄 [心臓血管外科]
(第2,4週)
中村彰太
[血管外科]
(第2,4週)
午後 川井陽平
(第1,3,5週)

※水曜日の[心臓血管外科]は、当院呼吸器内科で初診後、当院医師から予約いたします。

休診日: 3/28(金)

予約電話番号: 052-611-6265

※変更する場合がありますので、事前に電話にてご確認ください。

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