がんとともに生きる

乳がん

乳がんとは?

乳がんは乳房組織に発生する悪性腫瘍です。
乳房は乳腺とそれらを支える脂肪などの間質からなっています。乳腺にはミルクを乳頭まで運ぶ乳管とミルクを造る小葉があり、乳がんの約90%は乳管から発生する乳管がんであり、約5~10%は小葉から発生する小葉がんです。
また、乳がんには非浸潤がんと浸潤がんがあります。非浸潤がんは、乳管や小葉の中にがん細胞がとどまっており、この段階で治療をするとほぼ完治できます。浸潤がんはがん細胞が間質に広がったもので、しこりを触れる場合はほとんどがこの浸潤がんです。
乳がんは早期発見が重要であり、定期的な乳がん検診と、月一回程度の乳房のセルフチェックをお勧めしています。

乳がんの診断

主な検査はマンモグラフィーと超音波検査になります。外来などではさらに感度の高い(異常が見つかりやすい)検査として、乳房造影MRIを施行することがあります。
これらの検査で悪性を疑う異常が見つかった場合は、細胞診や組織生検といった病理検査を受けることになります。病理検査はしこりに針を刺してその一部を採取し、顕微鏡で確認する検査です。

乳がんの治療

治療は大きく分けて、手術治療、薬物治療、放射線治療の3つになります。 
手術治療には温存手術と全摘手術があり、腫瘍の大きさや位置などからどちらかを選択します。温存手術を受けた場合は、大部分の症例で残した乳房への放射線治療が行われます。 
また、乳がんは腋窩(えきか:脇の下)のリンパ節に転移を起こしやすいため、センチネルリンパ節生検でリンパ節転移の有無を確かめます。術前の検査で明らかにリンパ節に転移がある場合や、センチネルリンパ節生検で一定度以上の転移が見つかった場合は、腋窩リンパ節廓清を施行します。

薬物療法は乳がんの病期、性質、ご本人の状態を考慮して、施行の有無、内容を決めます。手術と薬物治療の順番はその時の状況で決定します。 
また、乳がんが他の臓器へ転移している状態で見つかった場合は手術を行わず、薬物治療や放射線治療が行われます。

当院の特色・診療体制

乳がんの治療は選択肢も多く、複雑な部分もありますが、丁寧に説明をして、患者さまご本人の意向を汲んだ治療を心がけています。

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