がんとともに生きる

腎がん

腎がんとは?

腎臓にできるがんには、腎細胞がんと腎盂(じんう)がんが主であり、これらの多くは成人に発生します。小児に多く発生するものにはウィルムス腫瘍があります。まれながんとしては、肉腫や他の臓器からの転移性のがんがあります。 
腎細胞がんは尿細管の細胞ががん化したものですが、腎盂がんは尿路の細胞ががん化したものです。同じ腎臓にできたがんであっても各々の性質や治療法はまったく異なります。一般的に腎がんと言った場合は腎細胞がんを指します。この項では腎細胞がんに対して記載します。

腎がんの症状

早期では無症状、最近は人間ドックの腹部超音波検査や、他の病気で精査中に偶然発見される場合が増えてきています。古典的な症状は、①肉眼的血尿、②側腹部の疼痛、③腹部腫瘤を触れることです。ほかに発熱、食欲不振、体重減少、貧血(時に多血症)、高カルシウム血症などから発見されることもあります。健康診断で腹部超音波検査を受けましょう。

腎がんの診断

腹部超音波検査

腫瘍の発見に有用です。無症状で早期の腎がんが、人間ドックや健康診断などで指摘される症例が増えています。

胸腹部CT

造影剤を使用したCTでは、質的な診断も可能です。同時に、肺転移やリンパ節転移、静脈浸潤(腎がんは、静脈の中に入りこみ腫瘍血栓をつくることが多い)等の有無を診断することができます。

血液検査

腎がんに特有の腫瘍マーカーはありません。転移性腎がんの場合には、カルシウム値、LDH、貧血の有無やCRP等の値で、ある程度予後を予測することができます。

腎がんの治療

腎がんに対する治療は、根治的腎摘術をはじめとした外科療法が最も確実な手段であり、抗がん剤による化学療法や放射線治療には抵抗性を認めるとされています。

手術療法

転移の無い腎がんに対する治療は、手術が第一です。
通常は、腎臓に入る動脈、腎臓から出る静脈の順に処理をして、腎臓を周囲の脂肪ごと副腎も一緒に取る根治的腎摘出術が行われます。
T1(7cm以下)であれば、腹腔鏡下で手術でき術後の早期回復が期待できます。4cm以下で腎臓の辺縁にできているがんに対しては、がんのできているところを部分的に取る腎部分切除でも、根治腎摘出術と同等の治癒率が得られています。部位によりますが腹腔鏡あるいは開腹術で施行しています。

分子標的治療・免疫療法

肺がん、乳がん、大腸がんなど他のがんと同様に、転移性腎細胞がんに対しても、分子標的治療という新しい概念による治療が始まっています。これはがん細胞に特有な蛋白質・シグナルを標的とすることで、「がん細胞のみを壊して、正常細胞を傷つけない」ということがコンセプトです。
転移性腎細胞がんでは、2008年に「ネクサバール」と「スーテント」という2剤が、厚生労働省に承認され、分子標的治療が開始されました。2010年にも「アフィニトール」と「トーリセル」という2剤が承認され、2012年には「インライタ」という次世代血管新生阻害剤も使用可能になっています。2016年「オプジーボ」が追加承認され、当院でも施行されています。「インターフェロン」「インターロイキン2」などは共に保険適用がありますが、近年はあまり用いられなくなりました。

当院の特色・診療体制

腹腔鏡手術を導入し手術入院の期間短縮に取り組んでいます。新規抗がん剤導入時には入院が必要ですが、以後は積極的に外来化学療法を進めています。

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