がんとともに生きる

悪性胸膜中皮腫・悪性腹膜中皮腫

悪性中皮腫とは?

悪性中皮腫は、体腔内面を広く覆う中皮細胞に発生する悪性腫瘍で、胸膜・腹膜・心膜および極めてまれに精巣鞘膜に発生します。悪性中皮腫全体の80%が胸膜、10~20%が腹膜とされています。
悪性中皮腫を発症する人の大半は、アスベスト(石綿)を吸入することの多い環境で勤務または生活していた経験を持っています。アスベストを吸ってから悪性中皮腫が発生するまでの期間はとても長く、25年~50年(平均で約40年)経ってから発生するとされています。
症状として、胸痛・呼吸困難・腹部膨満感などがありますが、早期の場合は症状がないこともあります。

悪性中皮腫の診断

健康診断で胸の影を指摘された場合や上記の症状が長引く場合などは、受診していただき、胸のレントゲンやCTを施行します。
胸膜の悪性中皮腫を疑った場合は、胸腔鏡下で胸膜生検を行い、病変の組織を実際に採取して悪性細胞がないか確認します。
お腹に水が貯まり(腹水)、腹膜の悪性中皮腫を疑う時は、腹腔鏡検査などで診断を行います。
悪性中皮腫と確定した場合は、がん細胞の広がりや転移の有無についてCTやPET-CTなどで全身を調べます。

悪性中皮腫の治療

外科療法(手術)・薬物療法(抗がん剤治療)・放射線療法があります。悪性中皮腫の広がりや転移の状況、患者様等の状態に応じて適切な治療法を決定します。場合によってはいくつかの治療を組み合わせる可能性もあります。

当院の特色・診療体制

悪性中皮腫を疑ってから3週間以内に診断をつけ、治療に移行できることを目標にしています。呼吸器内科・呼吸器外科・消化器内科・放射線治療科など複数科が連携・協力し、集学的な医療が可能です。

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