がんとともに生きる

胆道がん

胆道がんとは?

胆道とは、肝臓でつくられる胆汁を十二指腸まで運ぶ経路のことです。肝臓の中を走る肝内胆管と、肝臓の外に出てから十二指腸までの肝外胆管、肝外胆管の途中で胆汁の一部をためておき濃縮する袋である胆嚢(たんのう)に分けられます。胆道がんとは上記説明した胆道の上皮から発生した悪性腫瘍で、発生する場所によって「胆管がん」「胆嚢がん」「十二指腸乳頭部がん」に分類されます。

 

厚生労働省による人口動態調査によると2022年の胆道がんによる死亡者数は17,900人で、これは悪性新生物による死亡者の約5%を占めます。年齢別では60歳代に多く見られます。

胆道がんの診断

胆道がんは、初期には自覚症状に乏しく発見は難しいですが、診断技術の進歩やスクリーニング検査(がんの可能性の有無を調べる検査)の普及により、比較的早期に発見される例もみられるようになっています。胆道がんの診断に用いられる主な検査は血液検査と画像検査に分けられます。

 

初期の胆道がんでは、血液検査で異常が出ないことが多いです。しかし、がんの近くにある胆道が閉塞すると、血清ビリルビンやアルカリフォスファターゼ(ALP)が異常高値となり、さらに進むと黄疸が出ます。腫瘍マーカーであるCEAやCA19-9の数値が、高くなることもあります。ただし、これらの検査値は正常のこともあり、補助的な検査です。従って、次に挙げる画像検査を受けることが大切です。

腹部超音波検査は苦痛が少なく反復して行えるので、胆道疾患のスクリーニングとして最適です。

超音波検査で胆道がよく見えない時や胆道に何らかの異常が疑われれば、次の検査としてCTやMRI、超音波内視鏡検査、内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)などが行われます。

これにより、胆道がんの確認およびがんの周囲への進行状況や、他の臓器への転移の有無などを診断します。

胆道がんの治療

病期を正確に診断したうえで治療法を決定します。胆道がんを根治できる治療法は外科手術です。可能なかぎり外科手術を行いますが、手術が第一選択とならない場合には、化学療法・放射線治療などの集学的治療を行います。これらの集学的治療でがんの制御ができる場合には根治的な外科手術が考慮できる場合があります。

当院の特色・診療体制

外科手術は、元名古屋大学腫瘍外科教授の梛野正人医師を中心に施行しています。
当院では消化器内科と外科がしっかり連携をとった上で迅速かつ正確な診断と治療を行っており、手術適応がある場合には診断から手術まで短期間で行います。

また切除不能例・術後再発例に対する化学療法・放射線治療などの集学的治療も数多く施行しております。また、腫瘍内科とも毎週合同カンファレンスを行い、最新でそれぞれの患者様に適切な化学療法が行えるように取り組んでいます。

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