がんとともに生きる

大腸がん

大腸がんとは?

大腸は、小腸で食物が消化吸収された残りの腸内容物を貯めて、水分や塩類を吸収し、便として排出する長さ1.5mほどの臓器です。盲腸、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸、直腸、最後は肛門へとつながり、これらの部位にできる癌を大腸がんといいます。
大腸がんはS状結腸と直腸にできやすいと言われており、便秘、血便、腹痛などの症状が特徴的ですが無症状のこともあります。

大腸がんは男性の11人に1人、女性の13人に1人がかかると報告されており、非常に多いがんです。
日本では推計で毎年15万人以上の人が大腸がんと診断され、男女合わせて一番に多いがんといわれています。大腸がんで亡くなる患者さんも増えており、その数は年間5万人を超え、肺がんに次ぐ第2位(男性で3位、女性では1位)となっています。

大腸がんのリスクとして、飲酒や喫煙、肥満や糖尿病などの生活習慣病、赤肉や加工肉の摂取増加が指摘されています。

大腸がんの診断

大腸がんは初期ではほんど症状がないことが多く、検診による早期発見が重要です。血液検査や便潜血反応検査を行い、大腸がんが疑われた場合、大腸内視鏡検査を行います。
診断後には、注腸造影検査、超音波検査、CT検査などの精査を行い、がんの進行度(ステージ/病期)を判定し、進行度に応じた治療方法を決定します。

大腸がんの治療

がんが粘膜と粘膜下層にとどまる早期がんに対してはまず、内視鏡的治療が考慮されます。内視鏡的治療には、内視鏡的粘膜切除術(EMR:endoscopic mucosal resection)および内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD:endoscopic submucosal dissection)があり、それらの方法を腫瘍の形や大きさに応じて使い分けています。
内視鏡的治療が困難な症例やがんが粘膜下層より深く浸潤している進行がんに対しては、外科的な手術治療を行います。腹腔鏡またはロボット支援手術(ダヴィンチ)を行っています。
手術が困難と判断された場合には抗がん剤治療などを行います。

当院の特色・診療体制

鎮静薬使用下での大腸内視鏡など苦痛の少ない検査を心がけています。
また、内視鏡困難な場合に大腸カプセル内視鏡も実施可能です。最新機器を取り揃えており、拡大内視鏡診断やAIを併用した大腸腫瘍の検出や診断も行っております。

外科、消化器内科の連携はもちろん、臨床検査科、放射線診断科・放射線治療科とも密接な連携をとり、迅速かつ正確な診断と治療を行っており、困難な症例に対しても積極的に治療を行っています。
EMRやESDといった内視鏡治療も数多く実施しております。また、近年では手術の傷が小さくて済む、腹腔鏡手術も積極的に行っています。切除不能症例・術後再発症例に対する抗がん剤治療や緩和医療も数多く行っています。

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