がん地域連携パス

がん地域連携パスとは

　ひとりの患者さんのがん治療に関して、当院のような「がん診療拠点病院」と地域のかかりつけ医の先生などがどのように役割を担い、診療情報を共有するかを決めたシステムのことです。患者さまが住み慣れた地域での暮らしを継続しながら、科学的な根拠に基づいた適切な治療を受けることができるよう、がんの種類に応じて標準化されたパスがあります。 病院の専門医と、お近くのかかりつけ医の先生と2人が主治医となり、病状に変化があった際などには、早期発見・早期対応を行い、質の高い医療を実現するために活用されています。

クリニカルパスとは

　「パス」とは、医療用語「クリニカルパス」の略で、「クリティカルパス」と呼ばれることもあります。
通常は入院中の治療計画をスケジュール表のようにまとめたものです。 治療や検査の経過を説明するために、入院から〇日目に、どんな検査、手術、処置、リハビリなどを受けるのか、食事や入力などは術後〇日目からどのような形のものができるようになるのか、などを事前に示したものです。事前に入院生活の流れを理解することで、患者さまが安心して療養に専念していただくことを目的としています。

また医療者にとっては、従来は医師によってばらつきのあった診療内容を標準化し、医師・看護師をはじめ医療スタッフ全員が患者さまの治療計画を共有することで、医療の安全や質の向上をめざします。

地域連携パスがめざすもの

　地域連携パスとは、この「クリニカルパス」を、入院中に限らず、退院して住み慣れた地域における日々の暮らしの中においても、標準的な治療を受けながら安心して療養していただくために、作成しているものです。

• がん医療の均てん化
• 愛知県のどこに住んでいても質の高い標準的な医療が受けられること
• 地域全体で支えるがん医療
• 生活を重視したQOL の高いがんの療養患者の負担軽減と、効率的な医療資源の活用