健診センター

新型コロナウイルスへの抗体ができたか調べよう!

コロナウイルスのスパイク抗体検査

新型コロナワクチンはもう接種しましたか?
ワクチンはウイルスに対抗する免疫を体の中につくり、そのウイルスによって発症する感染症にかかりにくくするためのものです。体の中に抗体というものができるのです。

新型コロナウイルスでは、罹患またはワクチン接種することで、「スパイク抗体」と呼ばれるものが体の中に作られます。
そのため体内におけるスパイク抗体の量を調べれば、ワクチンによる予防効果が出ているかどうかを判断できます。

スパイク抗体検査とは

どんな検査?

血液検体を採取し、スパイク抗体の有無、量を調べます。

何がわかるの?

新型コロナウイルスに対する免疫があるかどうかがわかります。

抗体の量 判定 意味 対策
0.8U/mL未満 陰性 スパイク抗体が検出できない コロナウイルスに対する免疫がないと考えられるため、十分な感染対策を行ってください。
結果による追加接種の要否はありませんが、追加接種の案内が来ていれば積極的に受けましょう。
0.8U/mL以上 陽性 スパイク抗体が検出された ワクチン接種によりスパイク抗体がつくられたか、もしくは過去に自然感染したかを示しています。
値が大きいほど、抗体が多くつくられたことを示します。

 

  • 有効な抗体価の基準は明らかになっておらず、また抗体価が高くても、感染する可能性はあります。
  • 当院では、ロシュ・ダイアグノスティクス社製の新型コロナスパイク抗体検査を実施します。現在のところ、その効果判定に関する公的なガイドラインはありません。
いつ受けるといいの?

ファイザー社のワクチンの場合、最も高い発症予防効果が得られているのは、2回目接種後14日以降となっています。しかしながらその効果は時間の経過とともに低下していくことが明らかになっており、6~8カ月後には3回目接種をすることが推奨されています(該当する方には、自治体から案内が届いていることでしょう)。
抗体検査は、ワクチン接種後あるいは罹患後に、どの程度の免疫がついているのかを調べたいとき、いつでも、何度でもご利用可能です。

 

厚生労働省 新型コロナワクチンQ&A「なぜ追加(3回目)接種が必要なのですか。」

実施概要

人間ドックや健康診断を受診される方は、血液検査にプラスすることが可能です。

単独で検査を受けたい方は、下記の時間帯で実施しています。事前予約制です。

月~金曜日 10:30~11:00/13:00~14:00
土曜日   10:30~11:00

 

  • 料金:5,500円(税込)
  • 結果:報告書を3日後に発送します。
  • 予約:お電話(052-611-8680)または予約サイトより、お願いします。

スパイク抗体って何?

コロナウイルスの突起

新型コロナウイルスは(SARS-Cov-2/Covid19)は右図のようなかたちの球体です。
大きさはおよそ100nm(1ミリの1万分の1)。
ウイルスというのはそもそも細胞がなく、自ら増殖できないため、人間などの宿主に侵入し、その宿主細胞の機能を利用して自分を増やし、また細胞から出て行くというサイクルで増殖していきます。
ウイルスはウイルスなりに、生きるための所作を繰り返しているだけと言えますね。

ウイルス球体は「エンベロープ」と呼ばれる脂肪の膜でおおわれています。
この脂肪膜はアルコールに弱いため、コロナの感染対策にはアルコール消毒薬が使われるのです。膜が壊れてウイルスの感染力が失われるからですね(ノロウイルスなどエンベロープがないウイルスは、アルコールではなく塩素系消毒薬が使われます)。

このエンベロープの表面にある突起が「スパイクタンパク質」と呼ばれるものです。
これが王冠のような形に見えるということで、ギリシア語で王冠を意味する「CORONA」という名前がつきました。

スパイクタンパク質は、宿主細胞の表面にあるACE2受容体というところに吸着して私たちの身体の中の細胞に入り込み、ここにコロナウイルスへの感染状態が成立します。

抗体をつくりだす免疫システム

ウイルスには細胞はありませんが、核酸(DNAやRNAといった遺伝子)はもっています。
普通の細胞にはDNAとRNAの両方がありますが、ウイルスはどちらかだけで、コロナウイルスはRNAゲノムという遺伝子をもつ「RNAウイルス」です。

細胞の中に侵入したRNAウイルスは、さらに宿主の細胞質の中に分け入り、宿主細胞の構造を「鋳型」のように利用してタンパク質を合成し、自分の「模型」を大量生産して増殖していきます。

でも、わたしたちの身体にはウイルスが入ってきたときに、それに対抗するための「抗体」を作り出すという免疫システムがあり、スパイクタンパク質に対しては、「スパイク抗体」というものができます。
ワクチンはこの仕組みを利用して、あらかじめ人工的に体内に抗体を作り出すのです。

ファイザー社やモデルナ社のワクチンは「mRNAワクチン」といいます。
「mRNA(メッセンジャーRNA)」とは、遺伝情報を転写するための翻訳ツールです。

つまりコロナワクチンは、その名の通り「メッセンジャー」として情報を送り届ける伝令であり、そこに託されるメッセージの内容は、コロナウイルス表面にあるスパイクタンパク質の遺伝情報です。
メッセージを受け取ったわたしたちの体内の細胞は、疑似的にスパイクタンパク質を作り始めます。
そして、身体を防御する免疫システムが、体内に異物であるスパイクタンパク質ができたことに気づくと「スパイク抗体」を作り出す、という仕組みなのです。

このため、スパイク抗体の量を調べることで、コロナウイルス感染症に対する免疫があるかどうかがわかるというワケです。

ページトップに戻る