当院について

「おもてなし通信」第8号(2025.04)

甘くても、すっぱくても、健やかにわたしらしく
~はたらくわたしとがんのこと

甘くてみずみずしい、春の味覚「いちご」。
健康的に輝く赤い実は、
そっと手を添えると、柔らかくて、少しデリケート。

私たちの体も、同じかもしれません。
「まだ若いから大丈夫」
「見た目は元気だから問題ない」…
そう思っていても、カラダの中では
知らないうちにがんのリスクが
高まっていることも…。

いちごタルトは、サクッとした生地があるからこそ、
美味しいいちごが引き立つように、
私たちの健康や暮らしも、
仕事・家族・社会の支えがあってこそ成り立つもの。

2人に1人ががんになるこの時代。
この特集では、はたらく世代が「がんと向き合う」ために
知っておきたいことをお届けします。

5つの健康習慣

がんのリスクには、生活習慣の影響が大きくかかわっています。
左にある5つの健康習慣を実践した人は、していない人に比べ、男性で43%、女性で37%がんになるリスクが低かったという推計が示されました。

 

  • たばこ…たばこは吸わない、他人の煙を避ける
    たばこを吸っている人は禁煙を。吸わない人も他人の煙を避けましょう。
  • お酒…飲酒は控える
    飲酒量を減らすほどがんのリスクは低くなります。
  • 食生活…減塩&バランスよく
    食塩の摂取は最小限に。野菜や果物不足にならないように心がけましょう。
  • 身体活動…日常生活を活動的に
    歩行または同等以上の強度の身体活動は1日 60 分、息がはずみ汗をかく程度の運動は1週間に60 分程が目安。
  • 体重…適正体重を維持
    中高年ではBMI 値は男性21~ 27、女性21~ 25 の範囲内になるよう体重管理しましょう。

あなたは何%
がんリスクを下げられていますか?

 

仕事の話・お金の話・生活の話

どうする?仕事の話
仕事を続ける?休む?がんとキャリアの選択肢

がんになった人の約80%が「仕事をやめていない」

がん医療の進歩等を背景に、早期に発見され、適切な治療がなされれば「治る」ケースや、より身体に負担のかからない治療が可能となり、「がんと共に生活し、働くことができる」ケースが増えてきています。

どうする?お金の話
がん治療にはどれくらいお金がかかる?

 

その他にも…
入院費、薬代、食事代、検査費、日用品代、文書代などがかかります。

どうする?生活の話
がん治療しながらの生活、一体どうなるんだろう…

がんは死ぬ病気ではなく、長く付き合う病気。
だからこそ闘病生活の中で増える試練も…

がんとともに生きる

宏潤会では地域医療機関と連携しながら、がん治療を受ける患者さまに「がんサポート」を行っています。安心して、納得して、治療を受け、療養していただくために、力を合わせて、全面的に支援します。

 

がん相談支援センター

がん専門の相談員が、中立的な立場で情報提供を行っています。当院を受診していない方でも、どなたにもご利用いただけます。

  • 治療や副作用についての疑問・不安の相談
  • 患者や家族向けのサポートグループの紹介
  • 同じ立場の人と情報交換

案内受付:大同病院 総合案内(東玄関)、受付時間:平日 9:00~16:00 /土曜日 9:00~13:00

「Dらじ」も聴いてね♪
がんに関するテーマを多く扱っています。

「#DAIDOのがん診療」

プロフェッショナルDAIDOの流儀

がんの苦痛と向き合い 患者さんの意思決定を 支え続ける~薬剤師

病院には、診療科や病棟の垣根を越えて、がんを中心とした「痛み」に向き合う緩和ケアのチームがある。当院では「がんサポートチーム」と呼ばれ、腫瘍内科の医師やがん性疼痛看護認定看護師といった専門知識を持つ多職種が、がん患者さんのさまざまな苦痛のケアをしている。今号では、その一員として活躍する薬剤師を紹介したい。

薬剤師 谷口結基
2014 年入職。なんとなく目指した薬剤師の道だったが、大学5年生のときの実務実習で病院薬剤師の患者と向き合う姿に感銘を受け、その道を志す。

がんサポートチームの薬剤師

フワッとした気持ちで薬剤師を目指していた学生時代、病院実習で、薬剤師が実にきめ細かくがん患者さんのケアに携わる姿が谷口の胸に刺さった。副作用の有無や程度を確認し、医師に薬を提案し、その結果として患者さんが笑顔で退院していく。看護師など他の職種がそれぞれの立場で意見を述べ、それをすり合わせていくプロセスも面白いと思った。
大同病院に入職して、希望通り呼吸器内科と抗がん剤治療の方が多い病棟の担当として配属され、がん関連の専門知識を深めた。3年目くらいから「がんサポートチーム」の活動にも参加するようになり、主として麻薬の管理など緩和ケアに携わるようになる。痛み止めである麻薬の量を増やすタイミングの調整、吐き気や便秘といった副作用に対して、どんな薬を使うのかの提案などを行っている。

がんの痛みは 薬で抑えられるのか

がんの痛みには、薬で抑えられるものと抑えにくいものがあるという。がんそのものによる痛みは麻薬で抑えられることが多いが、がんが大きくなって神経を触っている場合など、さまざまな痛みが起こる。なかなか教科書通りには進まない。
「まずは、どこが痛いのか、どういうときに痛いのかを聞いています。特に痛みで眠れないことがないかは重要なポイントです。中には横になれないくらい辛いという方もいます。でも、一度ですべてを聞き出せるとは思っていません。痛いときには話すのだってシンドイはず」
「痛い」と言われて、すぐにこちらの話をしてしまっては、なかなか大事なことまで聞けなくなるという。単に薬の量を増やせば良いのか、違う種類の痛みではないか、ひょっとして薬への依存が起こっているのではないか……。そうした懸念を払い、正しい薬を選ぶためには、患者さんのキャラクターに応じて話し方を変えながら、自然に語ってくれるのを受け止めるようにしている。

終末期の意思決定を支えるために

薬ではどうにもならない苦痛がある。
終末期が近づけば、患者さんご本人もご家族も辛い思いをされることがある。「せん妄」という、意識が混濁して奇妙な行動や言動がみられる状態が起これば、それまで出合ったことの
ない姿に、まわりは動揺してしまう。
最終的には「鎮静」という手段を取ることもできるが、鎮静下では、ご家族とのコミュニケーションは途絶える。それより最期まで「痛み」を選ぶ方もいれば、家族と「さよなら」を交わして鎮静に入る方もいる。
「どんな道を選ぶにしても、メリットとデメリットをしっかりお話しし、その意思決定を最大限に尊重し、患者さんができるだけ辛くならないように支えるのが僕たちの仕事です」
身体の痛みだけでなく、心の痛みも、そして家族の苦痛をも受け止められる薬剤師でありたいと、谷口はまっすぐ前を向いた。

CLOSE-UP地域医療「はくすいの地に生まれた複合介護施設~大同老人保健施設&大同介護医療院」

医療が支える安心のケア

昨年11月に新築リニューアルオープンした大同老人保健施設。個室中心のゆったりとした空間は、介護施設にありがちな生活臭も消毒の臭いもなくクリーンに保たれています。漂ってくるとしたら1日3回提供される自慢の食事の匂い。スタッフの間でも美味しいと評判の家庭的な味を、入所者さんの嚥下・消化機能にあわせた7つの形態で提供しています。
介護施設には有料老人ホームや特別養護老人ホームなどいろいろな種類があります。また老人保健施設にもそれぞれ特徴があります。大同老健のいちばんの特徴はなんといってもリハビリの質。入院療養などで日常生活に必要な機能や体力が低下してしまった方が、まだまだこれからの生活で必要となるチカラを取り戻せるよう、運動、生活動作、言語聴覚・嚥下機能などの面から支援します。
また看護師が常駐し、介護スタッフもほぼ全員が痰吸引できるなど、医療的ケアも充実しています。経管栄養や透析治療が必要な方にも対応可能です。

その人らしく穏やかに

大同老健の4階部分が、今年3月より「大同介護医療院」として生まれ変わりました。長期にわたっての療養が必要な方や、お看取り期の方まで受け入れます。老健同様の個室にて、その人らしく穏やかにお過ごしいただけるよう、スタッフ一同、心を尽くしています。

老人保健施設と介護医療院
老人保健施設 介護医療院
目的 在宅復帰を目指した
リハビリや介護
長期的な療養・医療ケア
の提供、看取りも可
入所期間 原則3 カ月程度の短期 長期の入所が可能
医療体制 医師が常勤
看護師1:3
(介護職員含む)
医師が常勤
看護師1:6
短期入所をご利用ください

大同老人保健施設も大同介護医療院も、短期入所(ショートステイ)を受け入れています。ご家族の休息(レスパイト)のほか、医療依存度の高い方の緊急対応も可能です。お気軽にご相談ください。

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