当院について

「おもてなし通信」創刊号(2023.07)

もくじ

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Daido Medicine の高度急性期医療

いのちを救うために最善を尽くす。
ひとが生きている限り、なくならない医療だ。大同病院は、
「救急医療」「がん診療」「高度専門医療」「小児医療」
4つの柱として、その機能の拡充と質の向上に努める。そういわれても、ある日病気やケガにより、
その健康や日常を脅かされない限り、
多くの人にとってはピンとこない話にちがいない。
だけど、もしものときは頼ってほしい。
なぜそう言えるのか、紹介する。

救急医療~全力で、いま命を救う

「約10分後に、救急車到着します」

救急隊から連絡が入ると、救急外来(ER)ではリーダー看護師がすぐにどの処置室で対応するかを決め、救急車の到着を待つ。

2022年度、年間の救急車受入れ台数が初めて7000台を超えた。1日平均20台近く。「断らない救急」を掲げ、比較的軽症者から一分一秒を争う重症者まで、あらゆる救急患者さんを受け入れるため努力を重ねてきた結果だ。

救急隊の到着後は申し送りを受けて状態を確認し、必要に応じ検査を行う。血液検査はもちろん、レントゲンやCTなどの画像検査を行う放射線科、吐血などで運び込まれた患者さんに緊急内視鏡検査を施す内視鏡センターはERに隣接し、24時間稼働している。

リーダーの一人、救急看護認定看護師の奥田晃子は言う。「患者ファースト、地域貢献の精神で、コロナ禍においてもできる限り、それまで同様に救急車を受け入れてきました。そして患者さんだけでなく、そのご家族へのケアも大切にしたいと、部長・師長以下スタッフ皆で頑張っています。突然もしくは一次的な症状の増悪で患者さんが訪れる救急外来は、あらゆる意味で、一期一会だと思い、毎日向き合っています」

 

その鼓動を止めない

当院には「ドクターカー」がある。救急隊からの求めに応じ、医師が救急救命士とともに直接現場に向かい、病院への到着を待つことなく診察・処置を開始する。例えば心筋こうそくで心臓カテーテル治療が必要と想定される場合には、車中で治療の開始と基本的な検査の手配を行い、病院に到着後迅速に次の一手に進む。カテーテル治療室に入ればすぐ、治療が始められる。

脳こうそくならば、発症から4.5時間以内にtPA(血栓溶解療法)を行うことが標準治療だ。これは、脳の血管に詰まった血栓をいち早く溶かして取り除く方法。当院では昨年、脳神経内科医と脳神経外科医、それに診療看護師(NP)を心とした「脳卒中チーム」を発足させ、この治療を必要とする人にいち早く手当ができるよう、体制を整備した。適切な治療を適切なタイミングで実施することが、その人のその後の人生を変える。後遺症を最小限に抑える努力が行われる。

さまざまな病気で緊急手術をしなければならないことももちろんある。24時間いつでも安全な手術に対応するためには全身麻酔を管理できる麻酔科医の存在も欠かせない。

「いのちを救う」医療とは、患者さんの、脳や心臓をはじめとする身体の機能を維持、回復させ、その後を再び安心して暮らせるようにする行為である。そのために、病院も昼夜を問わず脈打ち続けている。

がん診療~明日を拓くがん治療

2022年秋、待望の手術支援ロボット「ダヴィンチ」が導入された。決して早いほうではなかった。なぜか。

当院は、早くから胸腔鏡や腹腔鏡による手術の技術を磨き、実績を積み上げてきた。胸やお腹を大きく切ることなく、小さく開けた孔から手術を行う。外科には「小さなキズあとの手術センター」が立ち上がり、患者さんの負担を極力抑えることに力を注いできたのだ。2021年度時点での肺がん手術における胸腔鏡手術の割合は100%、胃がんにおける腹腔鏡手術の割合は94%、大腸がんでは95%、前立腺がんでも100%であった。

ダヴィンチ導入以来、前立腺がんの手術に積極的に活用する泌尿器科主任部長の神谷浩行医師は言う。「腹腔鏡の技術研鑽を積んできたから、実を言うとロボットの必要性はあまり感じていなかったのです。しかし、ダヴィンチにしかできない術式もあると判断し、実際に治療の可能性はさらに拡がっています」

現在は胃がん、直腸がん、前立腺がんでの施行だが、ダヴィンチの活躍領域は今後さらに拡大し、当院のがん手術が進化する。

 

標準治療の質向上をめざして

大同病院は愛知県の「がん診療拠点病院」に指定されている。手術のほか、化学療法、放射線療法という「標準治療」が適切に提供される拠点であることを示す。

加えて近隣ではまだ少ない技術などを積極導入することで、地域の拠点としての責務を追求している。放射線療法では、放射線の強度を調整して腫瘍だけに集中して照射し、副作用を極力抑える高度な方法(IMRTなど)を導入、緩和照射も行う。化学療法では、腫瘍内科の医師を中心に、比較的新しい薬も、厳格な管理のもと使用可能だ。

早期発見のための検診、確定診断のための技術導入にも余念がない。昨年には放射性物質を使わないMRIを使った全身がん検診DWIBSも導入、注目を集めた。

 

患者さんを多面的に支援したい

毎月第3木曜日の夕方、院内で開かれているのが「キャンサーボード」だ。当院でがん診療に関わるさまざまなスタッフが集まり、実際の患者さんの症例について話し合う。どのような治療を行ったか、病状の経過はどうだったかなどについて情報を共有する。

がんを専門に診る腫瘍内科と担当診療科(例えば肺がんなら呼吸器内科、脳腫瘍なら脳神経外科)の医師を中心に、放射線治療医、痛みのケアや化学療法などがんサポートに関わる看護師、薬剤師や管理栄養士など多様な医療者(コメディカル)がここに加わる。また臨床心理士や社会福祉士(ソーシャルワーカー)らも参加し、身体のことだけでなく、心理面や社会的な視点からも患者さんを支え、さらには在宅療養に携わるメンバーも集う。入退院を繰り返すケースなどでは特に重要だからだ。

高度専門医療~ひと×技術×知で挑む

心臓や脳血管へのカテーテル治療、腹腔鏡や胸腔鏡による手術、CTやMRなどを使用する画像診断といった、高度急性期を支える技術は日々進歩する。患者さんの身体への侵襲は低くなり、検査や処置にかかる時間は短く、医師への負担も軽減された。精度もどんどん向上している。

これらの対象になる疾患は決して特別なものではない。誰にでも起こり得ること、いつ起こるかわからないことに対して、可能な限り適時・迅速に対処し、治療後の身体の機能を落とさず回復することをめざす。

当院には、脳外科脊椎センター(脊椎外科)や、手外科・マイクロサージャリーセンターといった専門的で精巧な手術に特化した部門もあるが、これらの治療が究極的に目標にしているのは、患者さんが再び安らかな日常の暮らしに戻れることだ。

高度専門医療 関節リウマチで極度に変形した両手指の人工関節置換手術を受けた70代の女性は、術後3週間、毎日20分×3回のリハビリをハンドセラピスト(作業療法士)とともに頑張りながら、笑顔でこう語ってくれた。「また指でつまむ動作ができるようになって、仕事をするのが楽しみなんです。主人が作ったいちごを、パッケージに詰められるようになるのが嬉しい」

 

高度医療とは何か

それはひとの知と技にほかならない。しかも一人ひとりの力ではなく、日々研鑽を積むプロフェッショナルが集まって、患者さんの明日を思い、最善の治療やケアを提案する。その結果を予測し、患者さんが納得して自ら選択できるように、プロフェッショナルとして、支援する。

行く先を照らすとはそういうことだと、わたしたちは考えている。

小児医療~未来ある子どもたちを支える

循環器、呼吸器、消化器、脳神経、内分泌、腎臓……。大同病院・だいどうクリニックの内科には多くの専門診療科が存在するが、ひとつの科でその縮図のような役割を果たしているところがある。

「こどもに関することには、すべて対応する」という方針を掲げ、原則15歳までの、あらゆる小児の疾患に対応する「大同こども総合医療センター」だ。小児科の外来ではこどもに多いアレルギー疾患や発達障害などの専門外来も数多く開設され、バリエーションに富む。

当院の特徴は、病気の多様性だけでなく、外来のほか、入院、救急はもちろん、在宅医療まで含めた幅広い療養環境に対応していること。さらに、小児専門のリハビリテーション部門や、名古屋市の重症心身障害をもつ児らの支援拠点である「医療的ケア児支援センター」も併設する。

小児外科もある。専門医が常駐し、鼠径ヘルニアや虫垂炎といった非常に一般的なものから、便秘に隠れた珍しい病気や新生児の難治性疾患など、手術でしか治せない病気の治療も積極的に手掛ける。

 

子育て支援もしていきたい

当院では小児の健診や予防接種にも生後間もなくからフルラインナップで対応する。小児科部長の浅井雅美医師は言う。
「健診や予防接種は、こどもたちの健やかな成長に欠かせません。急な病気で受診するときには親御さんにも余裕があまりないと思いますが、健診や予防接種のような定期的な通院のときにこそ、気になることがあったら遠慮なく聞いてほし
い。わたしたち小児科医は、医療を通じてそうした親御さんの不安に応え、子育て支援をしていくことも大事な仕事だと
思っています」

 

新生児を救うNICU/GCU

2023年春、新生児の集中治療室であるNICU、少し落ち着いた赤ちゃんを診る回復室GCUをそれぞれ6床、9床へと拡充した。少子化が止まらない日本だが、だからこそ一人ひとりのこどものいのちを救う医療はますます重要だ。

大同病院は「地域周産期母子医療センター」でもある。早産や異常分娩などにより、母体や赤ちゃんに危険が及ぶケースにおいて救命や集中治療を担う。

赤ちゃんは、子宮という安全な海から、突然この世の光や音にさらされる。十分に発育できいていない場合には、その環境変化が格別に大きなストレスとなり、いのちを危険にさらす。まわりに順応できるように保育器の温度や湿度を整え、呼吸や栄養摂取を助け、無事にこの世の歩みを始められると確認できるまで、しっかりと見守る。

しゅー、ごー、どくどくどく…

赤ちゃんの耳には、母体の鼓動や呼吸のリズミカルな音と振動が、胎内にいるときから響いている。それは未来へと続く波動でもある。わたしたちはそれを守りぬくための努力を惜しまない。

CLOSE-UP地域医療

病院と地域をつなぐ:ケアマネジャー×退院支援看護師

急性期病院は治療がひと段落すれば退院することになる。多くの人は家に帰りたいと願う。病院にいたら“病人”だが、家に帰れば好きなものや大事な人たちと過ごせる。しかし不安だ。
状態が悪くなったら?世話を頼める家族がいない!最期は?それでも社会資源をうまく使えば、望みは叶う。
その人が望む暮らしを実現するために仕事をする、ケアマネジャーと退院支援看護師の二人に語ってもらった。

だれでも家に帰ることができる

――患者さんの退院に際して、お二人はどのような動きをするのですか?

浅田 まず入院してこられた時点で医師や病棟看護師とともに、その人の病状がどのような経過を辿るかを予測し、退院後にどうするのが良いか、あらかじめ考えます。家に帰れそう、ご本人に帰りたいという意思がある、介護保険が必要そうだとなれば、ケアマネさんに相談します。
北野 退院支援から依頼を受け、介護サービスの利用調整を始めます。介護保険申請前の場合は、役所の認定調査(※)をできるだけ早く実施してもらうよう働きかけるとともに、介護ベッドなどを退院日から利用できるよう調整していきます。
浅田 中には、リハビリをしてからというケースもありますが、基本的にお一人暮らしで身寄りがなくても、ご本人に「帰りたい」という意思があれば、どなたでも自宅に帰ることができます。
北野 終末期で動けなくても、訪問介護(ヘルパー)、訪問入浴、訪問看護、訪問診療(在宅医療)などを利用し、最期までご自宅で過ごされたケースもありました。70代のお風呂が大好きな方で、亡くなる前日まで入っておられましたね。
浅田 お風呂は体力も水分も消耗するので、終末期には週1〜2回のことが多いのですが、死んでもお風呂に入りたい」といわれ、まさに最期まで好きなことを大事にされました。
北野 ご本人がどうしたいか、それぞれの選択があると思います。それを叶えることがわたしたちの務め。ご本人の意思確認ができない場合には、その人がどう生きてこられたのか、お好きなものは何か、ご家族にとってどんな人なのかなどをお聞きして、生活環境を整えていきます。ご本人にもご家族にも覚悟がいります。

 

※認定調査:介護保険サービスの利用開始に当たって必要です。退院日に間に合わない場合も、暫定で申請した日に遡ってサービスを利用できます。

浅田 恵子(あさだ・けいこ)

苦痛のコントロールが大事

――患者さんは、退院して自宅に帰るに当たってどんなことを心配されますか?

北野 酸素吸入が必要になっても家にいられるか、歩けなくなっても大丈夫か、といったことをよく聞かれます。それでも「家にいたい」と言われるなら、わたしたちが精一杯調整します。「そのときが来たら、先生も来るし訪問看護師さんもヘルパーさんも来ますよ」とお伝えしています。
浅田 家で穏やかに過ごすためには、痛みと息苦しさのコントロールが必要なんです。がん末期などは特に重要で、看護
師の訪問回数を調整し、在宅医や薬剤師と連携して、内服薬や皮下注射、貼付薬などでコントロールすることができます。ご家族やヘルパーさんにもきちんと説明してご自宅で管理できるようにしています。
北野 介護するご家族も高齢で、途中で疲れが出ることもよくあります。そういうときはショートステイを利用すると
か、ご家庭での介護力を見ながらいろいろな選択肢を考えます。でも、本人が「これだけは譲れない」とゆるぎなく思っていることはできるだけ大事にしています。
浅田 気持ちは日々変わります。だからわたしたちはそれをくみ取れるよう寄り添い、例えば家に帰ってはみたけれど辛いというときは、再入院の調整もします。
ご自宅で療養していた患者さんが亡くなると、どんな選択をしてもしなくても、ご家族にはなんらかの後悔が残るこ
とが多い。「後悔はいくらでもしていい。でもそれは愛していたからで、どの選択も間違いではないです」とお伝えしています。

北野 和美(きたの・かずみ)

病院と地域の壁を取り払いたい

――病棟と訪問看護師としての地域医療の経験が豊富な人が退院支援の要となったことは、大きな意味があると思います。

浅田 ケアマネさんたちにとって、病院医師とのあいだには壁があると思うのです。医療用語は難しいし、なんとなく話しにくい。
北野 確かにケアマネから医師に物言うのは少し難しく感じるときがあります。その意味では、患者さんの立場・視線で医療と関わっていく存在でもありますね。
浅田 訪問サービスを経験してきた人間として、病院と地域のあいだの調整役となり、患者さんが安全に安心してご自宅に帰れるように、何ができるか懸命に考えています。ご本人の希望をお聞きしながら、お互いが納得できる形で退院していただけるよう努めていきます。

患者さんを安全にお家に帰したい

浅田 恵子(あさだ・けいこ)

大同病院PSC 入退院支援課 課長
病棟、大同訪問看護ステーションを経て、大同みどり訪問看護ステーション立ち上げ、2023年4月より現職。

地域に愛されるケアマネでありたい

北野 和美(きたの・かずみ)

大同居宅支援事業所 管理者
介護福祉士からケアマネジャーへ。他院を経て、当事業所10年のキャリアを活かし、2023年5月より管理者に。

プロフェッショナルDAIDOの流儀

高度医療機器に魂を宿らせる~臨床工学技士

高度急性期医療を追求する大同病院において、ますます高度精密化する医療機器を正確に使いこなすことが欠かせない。その業務に携わるのが「臨床工学技士(Medical Engineer)」という専門職だ。
今回は手術室にて麻酔器の管理や脳脊髄神経のモニタリング、そして2022年導入の手術ロボットdaVinci(ダヴィンチ)操作などに活躍する田中美穂にフォーカスする。

臨床工学技士 田中美穂
2006年入職。学生時代は臨床検査技師をめざしていたが病院実習で「ME」に出会う。より治療に介入できると思い、学内の臨床工学技術専攻科に進学。2015年、大同病院初の手術室常駐MEとして業務立ち上げに関わり、現在に至る。

トラブル時にも進行を止めない、それがわたしたちの使命

ダヴィンチの4本のアームの先に装着された小さなはさみや鉗子が、患者の腹部に立てられたポートから体内に入り、医師の意図どおりに微細な手術を行っていく。胃や腸、前立腺の手術などではもはや開腹することは少なく、がんなどを取り除く手術も、小さな孔から差し入れられた機器とそれを扱う手技によってなされる。その操作は医師の技術はもとより、高度精密な医療機器の整備・管理を担当する臨床工学技士(ME)のサポートなしでは成り立たない。

手術室担当のME田中は、手術が始まる前にダヴィンチの設定や配線を入念に行う。

手術が始まると、医師がポートとドッキングさせるアームを、最も手術手技を進めやすい良い位置に持っていくのが彼女の仕事だ。医師の手技・手順や使う道具を把握し、医師と呼吸を合わせての作業となる。緊迫感が増す瞬間である。
「機械だからトラブルは付きもの。どんなに準備をしても故障することはあります。わたしたちに求められていることは、何かあったときに迅速に対応し、できるだけ手術の進行を止めないようにすることです」

ダヴィンチで言えば、起こり得るエラーには比較的軽度なものと、電源を落として再起動しなければならないものがある。電源を落とすということは、患者さんの体内に繋がっているものを止めるということ。医師にとっても慎重な判断を要する場面だ。そんなとき、MEがしっかりと状況を見きわめ、リスクを最小限にとどめる方法を医師に提示し、患者さんへの影響が出ないようにして乗り切る。

日ごろから医師らとの信頼関係をしっかりと構築していることがその鍵を握る。田中はそのために、できないことはできないとはっきり伝え、眼を見てしっかり話すことを心掛けているという。
「眼を見て話すって結構勇気がいるのです。でも、そういう小さな積み重ねが大事だと思っています」

機械を通して生身の患者さんと対話する

田中は手術室担当になる前に、自身が当院で全身麻酔下手術を受けたことがある。その恩返しをしたいのだという。
「術前の不安や怖れがわかるから、麻酔をかけるときに患者さんに声をかけたり、できるだけその方の気持ちに寄り添うようにしています。
患者さんは術中は眠っていても、生身の人間であることに変わりはありません。わたしたちMEは、機械とそれを使う医師らを通して、患者さんと対話し、その命をお預かりしているのです」

多忙のなかで やさしさを保ち続けるために

MEの仕事は、長時間立ちっぱなしであることも珍しくない。緊張感の続く手術の立ち会い業務は、夜間まで及ぶこともしばしばだ。そのほかに当直や院内の機器点検業務などもME室の一員としてこなす。
「疲れたときはドライブをしたり、3歳と1歳の甥っ子たちと遊ぶことが癒しになっています」

機械を通して、生身の人間である患者さんとのかかわり方を追求する。その田中のまなざしは、今日もやさしさに満ちあふれている。

簡単エクササイズで予防しよう!

意外に多い?!夏の冷え症

夏なのに「冷え症」でお困りの方もいるのではないでしょうか。
〈炎暑の屋外〉と〈クーラーの効いた屋内〉のように急激な温度差による自律神経の乱れが手足の血流を低下させ、冷え症が生じます。また、冷たいものの食べ過ぎ・飲み過ぎなど体の中から冷やすことも原因の一つと言われています。

予防には、体を動かして筋肉量を増やしてあげることが大事。筋肉の役割は筋収縮により関節を動かし、体を動かすことであり、そのときに熱を発生します。また筋肉には血液の循環を補助する役割もあるため、積極的に動かすことで体を温めてくれるのです。10回1セットを3セット程度行うと効果的です。

大同病院リハビリテーション科 科長 村上忠洋

EXERCISE I 手足の筋肉を収縮させて、血液循環を改善しよう!

  • ●手指のグー・パー運動

  • ●かかと・つま先上げ運動

  • ●かかと上げ運動

筋肉の収縮や弛緩により、筋肉のなかにある血管が押しつぶれたり元に戻ったりすることで、血液の循環が高まります。
特にふくらはぎや足部の筋肉は、第二の心臓と言われるぐらい血液の循環に大きな役割を果たしています。椅子に座りっぱなしの人は、こうした足の運動を少し行うだけで、冷え症の改善に役立ちます。

EXERCISE II 身体の筋肉量を増やして熱の産生能力を高めよう!

  • ●スクワット

    ひざを前に出しすぎず、お尻を後ろに落とします。背筋を伸ばしましょう。

  • ●ランジ

    大きく一歩前に足を出し、前足に体重を乗せます。

脚には大きな筋肉があるため下半身の筋肉を鍛える筋力トレーニングによって筋肉量を増やしましょう。筋肉量が増えることで、熱の産生能力が高まり、冷え症の改善が期待できます。
※スクワットもランジも前方に置いた椅子をつかみながら行うと、バランスを保てます。

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