当院について
「おもてなし通信」第10号(2025.10)
もくじ
- 特集「高血圧~いまこそ降血圧」
高血圧はサイレントキラー
薬の前に生活改善で降血圧・降リスク
美味しいと健康を両立する減塩術 - プロフェッショナルDAIDOの流儀
ケアマネジャー「気付いたら、人の暮らしを支える影の立役者になっていたい」

特集「高血圧~いまこそ降血圧」
『いまは元気』を10年後の後悔にしないために。
健診で『血圧が高め』と言われたけど、特に症状はないし…。
そう思って放置していませんか?
日本人(成人)の約3人に1人が高血圧と推定されていますが、正しくコントロールが出来ている人は、実は多くはありません。
高血圧は〝サイレントキラー(沈黙の殺し屋)〞と呼ばれるとおり、自覚症状がほとんどなく、知らないうちに進行します。
これからの季節は特に要注意!
朝晩の冷え込みで血管が収縮し、血圧は上がりやすくなります。
食欲の秋で塩分過多にもなりがち。
「いまは元気だから大丈夫」ではなく、いまこそ降血圧!
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日本人の約3人に1人は「高血圧」
めざすのは…
すべての年齢層で
収縮期血圧(上) 130mmHg 未満
拡張期血圧(下) 90mmHg 未満
高血圧はサイレントキラー
血圧が徐々に上昇していく過程で、体がその状態に「慣れて」しまい、異常を感知できなくなります。そして…
高血圧を放置すると、動脈硬化が進行します!
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高血圧が引き起こす主な疾患
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高血圧の診断・治療(フロー)
このような方は医療機関の受診が必要です!
- 自宅での測定で、5日間の平均測定値…上が135mmHg 以上、下が85mmHg 以上
- 医療機関や健診での測定値…上が140mmHg 以上、下が90mmHg 以上
脳卒中・心筋梗塞のリスクが約2倍!!!
まだ間に合う!薬の前に生活改善で降血圧・降リスク
やってみよう!生活改善5つのポイント
- 食事…バランスよく&減塩(1日6g未満)
- 体重管理…BMI(体格指数)25.0 未満
- 運動習慣…1 日30 分、週5 回の有酸素運動
- 飲酒管理・禁煙…お酒は男性20g/ 日以下、女性10g/ 日以下
※喫煙以外にも受動喫煙も避ける - 睡眠…1日7時間程度の睡眠を
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まずは、自宅で血圧を測ろう!
美味しいと健康を両立する減塩術
秋は、きのこ、根菜、旬の魚…などの味覚が楽しめる季節。
つい食べ過ぎや濃い味付けで塩分を摂りすぎているかも?
高血圧予防や降圧のために、塩分は1日6g未満(小さじ1 程度)がよいといわれています。
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食事から摂取する塩分量のめやす
減塩のコツ
- 出汁のうまみで満足感UP
- 酸味や香味野菜で味にアクセント(酢・わさび・レモン・柚子・しそ・ごま等)
- 麺類の汁を残す(汁に塩分の半量ほどが含まれる)
- 「かける」より「つける」(醤油やソースは小皿に入れ、つけながら食べる)
- 食品成分表で塩分チェック
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オススメの一品
プロフェッショナルDAIDOの流儀
気付いたら、人の暮らしを支える影の立役者になっていたい~ケアマネジャー
介護保険サービスの要となる「ケアマネジャー(介護支援専門員)」。要介護者や要支援者が必要とする介護サービスを受けられるようにケアプラン(介護サービス等の提供についての計画)をつくり、市町村や介護サービス事業者、医療機関などとの調整を行う。宏潤会には3つの居宅介護支援事業所があり、20名あまりのケアマネジャーが、地域ネットワークのなかで活躍している。その一人、大同みどり居宅介護支援事業所の管理者、福島伸夫にスポットライトを当てた。

2012年、南区の同業他社から関わりもあった大同居宅介護支援事業所に転職。2019 年、大同みどり居宅介護支援事業所の立ち上げから携わり、現職。。
地域の人たちを支えるチームを支える
「みんながうまく回っていればいい」--それが福島伸夫の信条だ。
彼の介護職キャリアは、ヘルパー(訪問介護員)として20年ほど前にスタートした。「介護の仕
事をしに行くというよりは、おじいちゃん・おばあちゃんのところにお手伝いに行っていろいろな話を聞いていました。そして彼らの生き様に触れて、自分の人生観も豊かになったと感じました」。20代だった彼にとって、それは自然なかたちでの学びの場だった。
その後にケアマネジャーの資格を取り、仕事の内容も変わった。結婚して3人の子どもの父となった福島は、24時間365日のシフトで動くヘルパーより、家庭で過ごす時間も大切にしたいと思ったからだ。
ケアマネジメントの幅を着実に拡げて
ケアマネジャーはサービス開始時や変更時に居宅訪問を行うものの、普段の接触は月1回程度。利用者と直に触れ合う時間は減ったが、福島はこう考える。
「実際に毎週通うヘルパーさんたちが話を聞き、利用者さんに寄り添えていればいい。そういうチームをつくるのがわたしの役割。いるかどうかわからないくらいの存在でありたい」
現在、福島が担当するサービス利用者は要介護者・要支援者を含めて約90人。大同みどり居宅介護支援事業所では、併設する通所リハビリテーションの利用者を担当することが多く、要支援者の割合が比較的高いため数が増える傾向にある。
もちろん、ケアマネジャーとして中立の立場で、法人内外関係なく、利用者が最も必要とするサービスを提供するため、地域のあらゆる介護事業者や医療機関と連携する。そうして関わるスタッフが増えれば増えるほど、福島にとっては自身のネットワークが充実し、ケアマネジャーとしての幅が広がっていく実感があるという。
介護職出身のケアマネジャーは、医療に対する壁を感じることも多い。しかし宏潤会では、医療との距離が近く、気軽に相談できる。利用者の在宅生活が難しくなった場合の入院や施設入所の調整もスムーズだ。利用者にとってもメリットは大きい。
また医療の専門用語に理解が追いつかない介護サービス利用者の代弁者となることも福島の大切な務め。「病院の先生や看護師さんたちも、“わかりやすく”伝えようとはしてくださっているけど、例えば高齢の方は、よく聴こえていないことも多いのです」
利用者が人生に満足できるように
ケアマネジャーは終末期に関わることが多い。自分が担当した利用者や家族から「こういうサービス環境を作ってもらえて良かった」と最期に言ってもらえることが最大の悦びだ。
一方で、「もっと家族との時間を大切にすれば良かった」と後悔する声もよく聞かれる。その言葉を大事に受け止め、利用者の家族や地域とのつながりを大事にし、その環境づくりをすることもケアマネジャーの仕事だ。
