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手術支援ロボット「ダヴィンチ」導入
より負担の少ない手術が可能に
当院は、高度で安全な医療を提供するという理念のもと、 2022年9月に手術支援ロボット『da Vinci Xi(ダヴィンチXi)』を導入しました。これにより、従来の鏡視下手術に加え、大同病院で選択できる低侵襲手術の幅が広がりました。
近年、大腸がんや胃がんなどの悪性疾患をはじめ、様々な疾患に対して内視鏡を用いた体に負担の少ない手術(鏡視下手術)が行われる機会が増えてきました。当院でも『内視鏡外科手術(小さなキズあとの手術)センター』を立ち上げ、患者さまの身体の負担を減らすべく内視鏡外科手術に積極的に取り組んでまいりました。
『ダヴィンチ』を用いた手術は、手術中の出血が極めて少なくキズあとがとても小さいなど、視下手術の発展型といえます。『ダヴィンチ』を導入したことで、高い技術を持った医師による手術と、ロボットの性能を活かした手術を併用し、より身体に負担の少なく、かつ、患者さまひとりひとりの病態にあわせた手術を提供してまいります。まずは泌尿器科領域・消化器外科領域より導入し、順次対象疾患・対象科を拡大していく予定です。
前立腺悪性腫瘍手術の様子
手術支援ロボットとは
手術支援ロボット『ダヴィンチ』は、外科医(術者)がロボットアームを操作し、内視鏡・メス・鉗子を動かして手術を行う術式です。アームの可動域は人の手首をはるかに超え、また、術者は鮮明な手術画像を見ながら手術が行えるため、容易かつ正確に手術部位にアプローチすることができます。
「ダヴィンチ」手術のメリット
- 機能を温存できる
鉗子の操作性が高く繊細な操作が可能なため、手術部位周辺の組織や神経などの機能を温存することができます。 - 術中の出血量が少ない
ロボットによる精緻な操作により、開腹手術に比較して手術中の出血が極めて少なく済みます。 - 傷口が小さい
皮膚を切開する傷口は、鉗子や内視鏡を挿入するための5~12mmほどの幅で、最大で6カ所です。(術式によって異なります) - 術後の痛みが少なく、回復が早い
傷口が小さいため傷の痛みが少なく、術後の回復が早い傾向にあります。 - 術後合併症のリスクが低い
創部の感染が少なく、腸閉塞などの合併症発生率も低い傾向にあります。
手術方法での比較(前立腺全摘除術の場合)
開腹手術 | 腹腔鏡下種手術 | ダヴィンチ手術 | |
手術時間 | 短い | 長い | 中間 |
熟練に要する時間 | ダヴィンチと同等 | 長い | 開腹と同等 |
手術中の出血量 | 多い | 少ない | 極めて少ない |
傷口(創部) | 大きい | 小さい | 小さい |
入院期間 | 10日ほど | 10日ほど | 10日ほど・ 短縮する傾向がある |
社会復帰 | 遅い | 早い | 早い |
技術の難易度 | 腹腔鏡下より低い ダヴィンチと同等 |
高度な技術が必要 | 腹腔鏡下より低い 開腹と同等 |
手術の操作性 | 普通 | 難しい | 良好 |
適応症例 ※保険適応
当院でのダヴィンチ手術は、泌尿器科領域・消化器外科領域より導入しております。希望される方は該当診療科にご相談ください。なお、ダヴィンチ手術の適応となるかどうかは、患者さまの病態や年齢・体調・生活などを踏まえ、医師が判断します。
診療科 | 適応症例 |
泌尿器科 | 前立腺がん・骨盤臓器脱(RSC) |
消化器外科 | 胃がん・結腸がん・直腸がん |
呼吸器外科 | 肺非結核性抗酸菌症 |
(2024年10月現在)